子ども社会にもIBSは急増している
心とからだの健康3月号
最近、登校直前、通学途中や授業中、不意な腹痛に襲われ、便意をもよおしトイレに駆け込む、こんな症状が慢性的に続く過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome ・IBS)が急増しています。文字通り症候群であって、検査をしても、かいようや炎症、がんなどの器質的な大腸の病気がないのに、腹痛と下痢や便秘などが長期間続く病気で、腹部膨満感、嘔気、排ガス(おなら)などを伴うこともしばしばありますが、QOL(生活の質)を大きく損なうだけに大変厄介な病気です。一般に若い世代(20~30歳代)に多いわけですが、最近では小児から学童にも男女とも増えています。
原因は精神的ストレスが自律神経を乱し、腸の運動異常が起こると考えられていますが、ストレス社会を反映した現代病と考えられます。実際に患者の多くは電車やバスの中、会議中など緊張すると症状が強まり、休日家でくつろいでいると症状が出ない傾向にあります。これを子ども社会に当てはめますと、通学途上、授業中、バス旅行、修学旅行、その他学校の行事に合わせるようにして発症しますので、不登校につながりかねません。また、いわゆるいじめにもつながりかねません。
一般に大人もそうですが、性格的にまじめできちょうめん、情緒不安定で内向的といったストレスを受けやすいタイプの人に多くみられます。
治療法の基本は生活指導と食事指導です。一口に説明することは困難ですが、ストレス回避の直接対応、日常生活の習慣改善、食事指導、とくに腸内環境を整える(腸内細菌の改善)ことを行います。効果的な治療法は確立していませんが、まず症状を理解してあげて、ストレスを緩和することが大事かと考えます。
平塚 秀雄(平塚胃腸病院理事長)
健学社・発行
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